HamUsa’s diary

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車が水没したらヘッドレストで窓は割れる?Xで拡散した脱出法をJAF情報で検証




Xを見ていたとき、豪雨で車内に閉じ込められた事故に触れ、「ヘッドレストを使って窓ガラスを割る方法」を紹介する動画が目に留まりました。いざというときに命を守る知識として、とても有益な問題提起だと感じます。


ただし、命に関わる情報だからこそ、動画だけを見て「ヘッドレストがあれば必ず脱出できる」と考えるのは危険です。JAFの公開テストでは、ヘッドレストではサイドガラスを割れず、成功したのは脱出用ハンマーだけという結果でした。

※本記事は2026年8月27日時点の公表情報を基にしています。実際の緊急時は車両や水流の状況が異なるため、安全を最優先に行動してください。

Xで拡散した「ヘッドレストで窓を割る」脱出法


きっかけとなったX投稿は、令和8年8月千葉豪雨で車内に閉じ込められた人が亡くなったとの報道に触れ、車のヘッドレストを使って窓を割る方法を紹介したものです。


ヘッドレストを座席から外し、2本の金属棒を利用してサイドガラスに力を加える方法は、以前から緊急脱出の豆知識としてSNSや動画で紹介されています。専用工具がない状況で思い出せる知識として、知っておくことには意味があります。


有益なのは「窓から脱出する選択肢に気づけること」。一方で、「動画と同じように誰でも簡単に割れる」とまでは考えないことが重要です。

ヘッドレストで本当に窓は割れる?JAFの検証結果


JAFは、水没時にドアも窓も開かない状況を想定し、ヘッドレスト、スマートフォン、車のキー、脱出用ハンマーなどで運転席のサイドガラスを割れるかテストしています。


試したもの JAFテスト結果 記事での判断
ヘッドレスト 割れなかった 成功を前提にしない。専用工具がない場合の非常手段
スマートフォン・車のキーなど 割れなかった 貴重な時間を失う可能性がある
脱出用ハンマー3種類 すべて成功 日頃から車内に備えるべき第一選択


投稿動画の方法とJAFのテストは、力のかけ方や車両条件が完全に同じとは限りません。そのため、動画の方法がどの状況でも不可能だと断定することもできません。


しかし緊急時には、ヘッドレストを外せない、金属棒が窓枠に入らない、力をかけられない、ガラスの種類が違うといった問題が起こり得ます。「できる場合がある」と「命を預けられるほど再現性が高い」は別です。

窓ならどこでも割れるわけではない


車のガラスには、主に強化ガラスと合わせガラスがあります。この違いを知らないと、脱出用ハンマーを持っていても割れない窓を狙い続けてしまいます。


ガラス 使われる場所 脱出用ハンマー 表示例
強化ガラス 主にドア・サイド・リア 破砕できる JISマーク付近の「T」「TP」
合わせガラス フロントは全車。車種によりドア・サイド・リアにも採用 基本的に貫通できない JISマーク付近の「L」「LP」

車が水没したときの正しい脱出手順


国土交通省が示す基本は、水位が低いうちに、早い段階で脱出することです。水が深くなるまで車内にとどまり、最後に窓を割るのが最初の選択ではありません。

  1. 1水位が低いうちにドアを開けて脱出
    ドアが開く段階で迷わず車外へ。冠水路へ進入しない、危険を感じたら引き返すことが最優先です。
  2. 2ドアが開かなければ、窓を開けて脱出
    浸水で電気系統が止まる前にパワーウィンドウを操作します。シートベルトも外してください。
  3. 3ドアも窓も開かなければ、脱出用ハンマーでサイド窓を割る
    強化ガラスの窓を選び、中央ではなく四隅の近くを狙います。ベルトが外れない場合は、カッター付きハンマーで切断します。
  4. 4それでも脱出できない場合は、最後まであきらめない
    車内外の水位が近づくと水圧差が小さくなり、ドアが開く可能性が高まります。これは他の方法が使えない場合の最終手段です。


水圧が強くなってからでは、ドアはほぼ開かなくなるおそれがあります。「もう少し様子を見よう」ではなく、開けられるうちに脱出する判断が重要です。

脱出用ハンマーは「選び方」と「置き場所」が重要


国土交通省は、十分な破砕性能が確認されたJISマーク・GSマーク取得品や、販売店・自動車メーカーが推奨する純正品などを勧めています。シートベルトカッター付きなら、ベルトが外れない場合にも対応できます。

  • 運転席から手を伸ばして届く位置に固定する
  • ドアポケットに入れるだけでなく、衝撃や浸水で流れないようホルダーを使う
  • グローブボックスやトランクなど、緊急時に届かない場所だけに置かない
  • 家族も置き場所と使い方を知っておく
  • 自分の車のどのサイド窓が強化ガラスか確認しておく

水没車からの脱出に関するよくある質問

Q1. ヘッドレストでサイドガラスは割れますか?

条件によって割れる可能性を示す動画はありますが、必ず割れるとはいえません。JAFのテストではヘッドレストで割ることができませんでした。専用の脱出用ハンマーを備えるのが確実です。

Q2. 脱出用ハンマーならフロントガラスも割れますか?

フロントガラスは合わせガラスのため、脱出用ハンマーでも容易に貫通できません。強化ガラスが使われているサイド窓を狙います。

Q3. サイドガラスなら、どれでも割れますか?

いいえ。近年はサイドガラスにも合わせガラスを採用する車種があります。ガラスの刻印、取扱説明書、販売店への問い合わせで事前に確認してください。

Q4. ガラスのどこを叩けばよいですか?

JAFは、強化ガラスの四隅のいずれかを脱出用ハンマーで割ると効率的と案内しています。中央部分を何度も叩くより、端に近い位置を狙います。

Q5. 水没すると、なぜドアが開かなくなるのですか?

車外の水位が上がると、外側からドアを押す水圧が大きくなるためです。水位が低いうちに開けることが重要で、開かなくなったら窓からの脱出へ切り替えます。

Q6. 脱出用ハンマーはトランクに置いてもよいですか?

水没して車内に閉じ込められた状態では取りに行けません。運転姿勢のまま届く場所に固定してください。

まとめ:SNSの知識を「確実な備え」に変えよう

  • X投稿が教えてくれた重要な点は、ドアが開かないときに窓から脱出する発想
  • ヘッドレストは必ず使える方法ではなく、JAFのテストでは窓を割れなかった
  • 水位が低いうちはドア、次に窓、開かなければ脱出用ハンマーの順で行動する
  • フロントガラスや合わせガラスは脱出用ハンマーでも貫通しにくい
  • 性能が確認されたハンマーを、運転席から届く場所に固定しておく


有益なSNS投稿を見たときは、知識を保存するだけでなく、車内の装備まで変えて初めて実際の備えになります。この記事を読み終えたら、ぜひ自分の車の窓表示と脱出用ハンマーの置き場所を確認してください。


参考資料