
💰 この記事で分かること
- 178万円の壁とは何か
- 基礎控除・給与所得控除の変更点
- 178万円を超えると手取りはどうなるか
- 106万円・130万円・136万円との違い
2026年(令和8年)の税制改正により、給与収入だけの人は、一定の条件を満たす場合に年収178万円まで所得税がかからない仕組みになります。
ただし、178万円まで社会保険料や住民税もかからないという意味ではありません。
⏱ 30秒で分かる結論
基礎控除104万円+給与所得控除74万円=178万円
給与収入だけでほかに所得がない場合、年収178万円以下なら原則として所得税はかかりません。
⚠ 重要
178万円は所得税の目安です。社会保険の扶養、住民税、勤務先の配偶者手当は別々に判定されます。
178万円の壁とは?
「178万円の壁」とは、給与収入だけでほかに所得がない人について、所得税がかかり始める年収の目安です。
2026年分の計算
基礎控除 104万円
+
給与所得控除 74万円
=178万円
パートやアルバイトによる給与収入が178万円以下で、ほかに所得がなければ、原則として本人の所得税はかかりません。
基礎控除はいくらになる?
基礎控除は、本人の合計所得金額に応じて差し引かれる所得控除です。
2026年分は、本則部分が58万円から62万円へ引き上げられ、所得に応じた特例を加えると次の金額になります。
| 合計所得金額 | 2026年の基礎控除 |
|---|---|
| 489万円以下 | 104万円 |
| 489万円超~655万円以下 | 67万円 |
| 655万円超~2,350万円以下 | 62万円 |
| 2,350万円超 | 所得に応じて48万円・32万円・16万円・0円 |
※基礎控除104万円になるのは、合計所得金額489万円以下の人です。
給与所得控除はいくらになる?
給与所得控除は、会社員やパート、アルバイトの給与収入から差し引かれる、必要経費に相当する控除です。
2026年分と2027年分は、給与収入が220万円以下の人を中心に、給与所得控除の最低保障額が最大74万円になります。
🧮 年収150万円の場合
給与収入150万円-給与所得控除74万円=給与所得76万円
給与所得76万円より基礎控除104万円の方が大きいため、ほかに所得がなければ課税所得は0円になります。
178万円を超えると急に手取りが減る?
178万円を少し超えただけで、収入全体に所得税がかかるわけではありません。
所得税は、178万円を超えた部分などを基に計算されます。また、社会保険料控除や生命保険料控除などがあれば、年収178万円を超えても所得税がかからない場合があります。
💡 178万円は「手取りが急減する壁」ではない
年収が178万円を超えたからといって、働いた分より手取りが少なくなる仕組みではありません。実際の手取りでは、所得税より社会保険への加入条件の方が大きく影響する場合があります。
主な年収の壁を比較
| 年収の目安 | 関係する制度 | ポイント |
|---|---|---|
| 約106万円 | 社会保険 | 一定規模の勤務先などで社会保険加入の目安。賃金要件は2026年10月に撤廃予定 |
| 130万円 | 社会保険の扶養 | 条件を超えると配偶者などの社会保険上の扶養から外れる可能性 |
| 136万円 | 所得税の扶養判定 | 扶養親族などの給与収入要件の目安 |
| 169万円 | 配偶者控除等 | 一定条件で配偶者側が38万円の控除を受けられる給与収入の目安 |
| 178万円 | 本人の所得税 | 本人に所得税がかかり始める給与収入の目安 |
※上記は給与収入だけの場合の主な目安です。家族構成、勤務時間、勤務先の規模、ほかの所得などで判定は変わります。
2026年10月に「106万円の壁」はどうなる?
厚生労働省によると、社会保険の加入要件のうち、月額賃金8万8,000円以上という賃金要件は2026年10月に撤廃予定です。
ただし、106万円を超えれば加入、超えなければ加入しないという単純な判定ではなくなります。
勤務先の企業規模、週の所定労働時間、学生かどうかなど、ほかの加入要件も確認する必要があります。
⚠ 106万円の壁がなくなっても、130万円の壁が自動的になくなるわけではありません
配偶者の年収が178万円でも扶養に入れる?
「税金の扶養」と「社会保険の扶養」を分けて考える必要があります。
- 本人の所得税:一定条件で年収178万円以下なら原則0円
- 配偶者控除等:配偶者の収入に応じて控除額が変わる
- 社会保険:106万円・130万円などの加入、扶養要件で判断
つまり、本人に所得税がかからなくても、社会保険では扶養から外れることがあります。
年末調整で確認すること
2026年の年末調整では、次の項目を確認しておきましょう。
- 本人の2026年中の給与・賞与
- 配偶者の給与収入見込み
- 子どものアルバイト収入
- 給与以外の所得
- 社会保険の加入状況
配偶者や扶養親族の収入が前年と同じでも、2026年は判定基準が変わるため、最新の金額で確認することが大切です。
よくある質問
178万円以下なら住民税もかかりませんか?
いいえ。住民税は所得税と基準が異なります。給与収入だけの場合、住民税の所得割は年収119万円以下が一つの目安ですが、均等割などは自治体によって異なります。
178万円まで働いても社会保険の扶養に入れますか?
原則として、所得税の178万円基準とは別に判断されます。年収130万円未満でも、勤務条件によって勤務先の社会保険へ加入する場合があります。
年収178万円を1円超えたら大損しますか?
所得税については、超えた部分などを基に税額が計算されるため、急に大きく手取りが減るわけではありません。ただし、社会保険への加入が重なる場合は手取りへの影響が大きくなることがあります。
まとめ
✅ 178万円の壁の重要ポイント
- 2026年の所得税がかかり始める年収の目安
- 基礎控除104万円+給与所得控除74万円
- 給与収入だけでほかに所得がない場合が前提
- 178万円を少し超えても所得税で急に大損はしない
- 住民税と社会保険の基準は別
- 106万円の賃金要件は2026年10月に撤廃予定
「178万円まで税金が一切かからない」と考えず、所得税・住民税・社会保険を分けて確認することが大切です。
公式情報
※本記事は2026年9月時点で公表されている情報を基に作成しています。個別の税額や社会保険の加入条件は、勤務先、税務署、年金事務所などへご確認ください。
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